社畜だった私が、「世界を広げたい」と思った日
20代〜30代後半まで、私は朝から晩まで会社にいる毎日を送っていました。
いわゆる「社畜」と呼ばれるような生活。周りは独身かつ魅力的な先輩も多く、結婚していないことへの引け目はあまり感じていませんでした。仕事は嫌いではないし、むしろ夢中で働いて、やりがいも感じていたけれど、「会社という小さな世界の中で、このまま歳をとり、定年後に居場所を失ったらどうなるのかな」と思う自分もいました。
そんなある日、ふと思ったんです。
「自分の会社だけでなく、いろんな世界の、いろんな価値観の人に出会った方が、もっと人生が広がるんじゃないか」と。
小さな勇気を出して、自分の生活を少しずつ変えていった先に、今の夫との出会いがありました。
出会い、そして母になれた奇跡
結婚後、ありがたいことに、30代後半で娘を授かることができました。
高齢出産という不安もありましたが、無事に生まれてきてくれた娘は、今の私にとってかけがえのない存在です。
それまでの私は、「仕事中心」の人生を送っていました。
もちろんその毎日も、決して不幸ではなかったけれど、
新しい経験を通して、また別のかたちの幸せを知った気がします。
2人目を望んで泣いた日々と、「足るを知る」の言葉
娘が少し大きくなった頃、自然と「もう1人ほしい」と思うようになりました。
でも、2人目はお腹の中で心臓が止まってしまい、流産という悲しい経験をしました。
その後もしばらくは、毎月、生理が来るたびに泣いていた日々。
「なんで私だけ…」
「どうして、叶わないんだろう…」
そんな私に、夫がそっと言ってくれた言葉があります。
「足るを知るっていう考え方もあるよ」と。
今あるものを大切にしようと思えた瞬間
「足るを知る」——手に入らなかったものばかりに目を向けるのではなく、今、目の前にあるものの価値をちゃんと感じて、大切にすること。
言葉にすれば簡単だけど、その時の私にはすごく深く刺さった言葉でした。
娘がいてくれること、仕事があること、健康であること。
「ない」ものを嘆いていた自分から、「ある」ものに目を向けていこうと、少しずつ気持ちが切り替わっていきました。
ひとりっ子育児は、自由と濃さをくれた
子どもが一人だからこそ、
たくさんの愛情を注げる。
たくさん話して、たくさん一緒に過ごして、たくさん旅行にも行ける。
ひとりっ子育児は、「自由」と「濃さ」のバランスがとても心地よいんだと、今は思えています。
「足るを知る」は、節約や旅にも通じていた
私のブログでは、節約や旅のことを中心に書いています。
でもそれも、突き詰めれば「足るを知る」生き方に通じている気がします。
たくさんお金を使わなくても、工夫次第で楽しく過ごせる。
必ずしも遠くへ出かけなくても、日常の中に小さな発見や癒しはある。
有名な観光地じゃなくても、自分が「心地いい」と思える場所があれば、それが最高の旅になる。
「ない」ものではなく、「ある」ものに目を向ける。
それが、私のこれからの人生を支える大事な価値観です。
これを読んでくれたあなたにも、やさしい「足る」が見つかりますように。